2025(令和7)年 司法試験結果について 「初受験合格率」堅調に推移

大学院法務研究科長 宮下 修一

 2025年11月1日付で法務研究科長を拝命した宮下修一と申します。専門は、民法と消費者法です。どうかよろしくお願い申し上げます。

 さて、2025年11月12日(水)に、本年の司法試験の合格発表があり、中央大学法科大学院は、受験者190名中77名が合格しました。受験者100名以上の法科大学院で比較すると、人数では全国5位、合格率(40.53%)では全国8位でした。

 特筆すべきは、「初受験合格率」です。2023年より大学院3年次在学中に受験することが可能となりましたが、この在学中受験で合格した初受験者の合格率(=初受験合格率)は、今年度は60.8%で、受験者50名以上の法科大学院で比較すると、全国4位(私大2位)となりました。これは、早稲田大学・一橋大学を上回り、慶應義塾大学にあと一歩という数字です。昨年の数字(64.2%)よりもわずかに下がりましたが、多くの大学が昨年よりも大きく率を下げる中で、2年連続で60%を超える数字を維持しており、堅調に推移しているといえます。

 また、在学中及び修了1年目受験者の合格率(=2回以内合格率)も55.91%で、受験者50名以上の法科大学院で比較すると、ここでも全国4位(私大2位)となりました。これも、早稲田大学・一橋大学を上回り、慶應義塾大学に肉薄する数字です。
 さらに、昨年度(2024年度)の3年次在学者87名についてみると、2024年に合格した者が52名、同年に予備試験資格で合格した者が5名、2025年に合格した者が12名と合計69名が司法試験に合格しました。合格率は、実に79.3%にのぼります。
 以上のように、在学中試験の開始以降、好調な合格率を維持できている最大の要因と考えられるのは、在学中受験を見据えて実施してきたさまざまな改革の成果です。

 第一に挙げるべきは、カリキュラム改革です。まず、公法系・民事系・刑事系の基本7科目について複数回の起案を行わせる必修科目「1群特講A」を2年次後期に設定し、早い段階から司法試験を意識させるようにしました。また、3年次については、前期・後期という区分は維持しつつ、実際には、前期・後期ともに前半・後半に分ける実質的なクォーター制を導入しました。具体的には、前期の前半(4~5月)には司法試験に関連する科目を集中的に配置し、7月に行われる司法試験の準備に充てることができるようにしました。
 第二に、個別指導の強化です。2年次前期または後期の終了後、成績中位層の学生を中心に各科目の担当教員が個別指導を実施し、学生の学修状況を把握したうえで適切なアドバイスを送っています。
 このような努力を踏まえて実現した近年の合格率上昇は、入学志願者の入試倍率の上昇にもつながり(2025年実施の2026年度入学者選抜試験の全体倍率は3.05倍)、質の高い院生の確保にもつながっています。
 来年度からは、司法試験がCBT(コンピュータ試験)化される予定であり、そのための準備も急ピッチで進めています。このように受験環境が大きく変わる中でも、合格率向上のための取り組みを怠りなく続けていく所存です。
 学員のみなさまにも、引き続きご理解とご助力を賜りますよう、お願い申し上げます。

本学出身司法試験合格者143名が参加
中央大学司法試験合格祝賀会開催

 中央大学司法試験合格祝賀会が2025年11月29日(土)、ホテル東京ガーデンパレスで盛大に開催された。例年中央大学と法曹会が共同主催する祝賀会で、法学部と法科大学院出身の合格者を祝う恒例行事となっている。

 「本年の出席合格者は143名で(合格者の実数はさらに多い見込み)、中央大学法科大学院出身者だけでなく、中央大学法学部から予備試験ルートや他大学法科大学院ルートで合格した者の参加も多かったが、中大の校歌を歌い、中大応援団OBによるエールが送られた。合格者の今後の法曹会等での活躍を期待するものである。」

「上田文雄さんとの思い出」

中央大学学員会 副会長  八重樫 和裕

 亡くなられた上田さんとは弁護士活動を通じて知己を得、一緒に幌延町の高レベル放射性廃棄物貯蔵施設を巡る訴訟を担当しました。勉強会や弁護団会議でお会いすることがありましたが,いつも穏やかで笑顔の似合う人でした。議論になっても上手にリードしてくれましたので、気持ちの良い弁護団でした。
 その後、上田さんは札幌市長に転身し、大変リベラルな政策を実行しました。その中で私が一番感心したのは、札幌市長としてレインボーパレードでLGBTQの人たちの先頭に立って行進したことでした。当時としては大変勇気のある行動だったと思いますが、LGBTQの皆様に心からの応援になったと思います。
 葬儀に参列しましたが、生前の上田さんと親交のあった方々、上田さんを尊敬する方々が集い、気持ちのこもった温かい葬儀でした。その様子は祭壇に飾られた上田さんの笑顔の写真そのものだったことをご報告します。
 上田さんの多岐にわたるご活躍に敬意を表すると共に、心よりのご冥福をお祈り致します。

哀悼

上田文雄氏

上田 文雄 氏
2025(令和7)年9月18日ご逝去
享年77歳

上田文雄(うえだ・ふみお)氏は北海道出身。1972(昭和47)年に中央大学法学部を卒業し、78年に札幌弁護士会で弁護士登録。94(平成6)年には札幌弁護士会副会長を務め、地域の法曹活動を支えた。98(平成10)年には北海道NPOサポートセンター理事長、2001年には日本弁護士連合会人権擁護委員会副委員長を担い、市民活動や人権分野で幅広く力を発揮した。03年から15年までは札幌市長として市政を主導し、まちづくりや福祉の充実に取り組んだ。2016年には公益財 団法人パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)組織委員会会長を務め、国際文化交流にも貢献。2019(令和元)年には松本市観光大使を務め、公共サービスの発展に生涯を通じて寄与した。2019年度から2期、学員会副会長を務めた。

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