
新たな価値を創造する情報・理系学部
中央大学は令和9(2027)年4月に、スポーツ情報学部(仮称)と情報農学部(仮称)の2学部を多摩キャンパスに開設するための準備に入った。いずれも学部名に「情報」が入り、文系と理系とを融合した学問研究を行う学部である。
※本記事は本紙の取材による学員時報530号編集時のもので、学部名や設置時期等は今後の検討により変更されることもある。
スポーツ領域におけるデータ活用人材を育成
中央大学は令和5(2023)年7月に文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業」選定を受けている。この事業は、大学または高等専門学校の設置者に対し、デジタル・グリーン等の成長分野の学部等の設置等に必要な資金に充てるための助成金を交付するもの。新学部はこれにより受ける助成金をもとに、同事業の趣旨に沿って開設されるもので、多摩キャンパスに2学部を開設する方向で準備が進められている。
新学部の1つスポーツ情報学部(仮称)は、アスリート育成のいわゆる「体育学部」ではない。データサイエンス、スポーツビジネス、スポーツウエルネスの3コース制で、養成するのは、AI・データサイエンスに関する知識や技術と、スポーツ領域に関する専門知識、論理的思考力、優れたコミュニケーション能力、積極的な行動力を備えた人材。データ駆動的思考力と価値創造力により、データから重要なインサイトを抽出し、意思決定に活用できる課題の発見・分析・解決策の立案とそれを社会に実装できるデータ活用できる人材輩出を目的としている。それにより、スポーツDX(デジタルトランスフォーメーション)推進とスポーツの成長産業化、スポーツウエルネスを通じた多様な主体によるスポーツ機会の創出といった社会的要請に応えた学部としていく。
農業と科学・情報技術を融合 「農」「食」「環境」がキーワード
もう1つの情報農学部(仮称)はアグリテック、フードサイエンス・マネジメント、環境システムの3コース。農業×テクノロジーによる新しい農業の創造や、農業GX(グリーントランスフォーメーション)による農業と環境の最適化という社会課題に応える人材育成が目的。経済発展と環境保全の両立に向けて、国際感覚と法的素養を基に、農学に関する専門的かつ広い知識および情報科学をはじめとした最先端の技術を学ぶ。そのことにより、『農』から連なる『食』『環境』の分野を中心に、新たな価値を発見・創造し続け、持続可能な社会実現に貢献する人材を養成する。新学部はいずれも建学の精神「實地應用ノ素ヲ養フ」に立脚し、持続可能な社会を切り拓き、国際社会に貢献できる「實地應用」の力を備えた次世代人材の養成を主眼としている。
