著者/蓮池 薫 (2008〈平成20〉年法学部卒)
拉致被害者の蓮池薫氏が突如自由を奪われ、独裁体制下で24年間を過ごした経験を通し、「私はなぜ拉致されたのか」と深く問いかける。
「拉致は未解決の人権問題」という断固とした立場を示し、日本で風化しつつある拉致問題に対して「問題は決して解決済みではない」という強い危機感に基づく訴えを込めた。
現場に身を置いた当事者だからこそ書ける詳細な記述と、国家的犯罪としての拉致の構造、目的、教育の実態に迫る分析を展開している。極限の状況の中で感じた「無念」や「理不尽」が、冷静な筆致の中にも厚い情感をもって伝わってくる。
著者:蓮池 薫
発行:岩波新書
判型等:新書判 228ページ
