東京港区支部
(港白門会)
▽2024年2月2日(金)
▽東京プリンスホテル本館2F「サンフラワーホール」
祝 港白門会創設20周年記念の集い 2024(令和6)年2月2日(金)
於:東京プリンスホテル本館2F「サンフラワーホール」 総勢86名出席 総会は2月2日(金)東京プリンスホテル本館2F「サンフラワーホール」にて、スケジュール過多の為、通常より30分早めに、土屋準幹事長の司会で開催された。
まず、物故者2名の黙祷(当支部理事長 程塚良男儀/同前副支部長 丸山眞司義)。
続いて、根岸清一支部長の支部代表挨拶、そのまま議長に選任され議事に入った。第一号議案から第四号議案までは書類に明記されている通り一目瞭然で判断出来たので全会一致で承認された。第五号議案は役員任期満了に伴う人事改選で、予め執行役員会で推薦決議された人事案の提示通り、全会一致で承認決議に至ったが、本総会の3日前に急逝された程塚良男殿の理事長の役柄が空席のままになってしまった件については、後日執行役員会で検討した上で対策を講じることで決議された。
第六号議案は学員会本部の役員及び学校法人中央大学の役員の発表と新入会員の紹介を竹内敬雄事務局長が行い議事終了。閉会の挨拶を司会の土屋幹事長が行い総会終了。
次は東京港区支部創設20周年記念式典を挙行に入った。
司会はそのまま土屋準幹事長でオープニングスピーチで挙行宣言を行った。その後全員起立し、校歌斉唱を行い、続いて支部代表 根岸清一支部長の挨拶、次いで、主賓の祝辞、挨拶を学校法人中央大学 大村雅彦理事長そして中央大学 河合久学長、さらに学員会本部代表の榎秀郎副会長がそれぞれ行った。その後、祝電披露で中央大学(前)学長、日本私立学校振興・共済事業団理事長 福原紀彦先生より賜わったお祝いの花束と祝詞読み上げを土屋幹事長が行った。
引き続き根岸支部長より感謝状の贈呈式が行われ昭和30年卒が堀合辰夫(昭31卒)、大越武雄(昭41卒)、千賀修一(昭41卒)、山下一明(昭42卒)、五十嵐誠 以上、各諸氏5名の授章を披露し、それぞれへ手渡された。その後、閉幕の挨拶を河野信之副支部長が行って式典はお開きとなった。
続いて、国際交流講演会に入った。当支部が地域の特徴を生かして全会員が全力投球している価値ある自信企画で、毎年、定時総会の後、港区内近辺に点在する諸外国の駐日大使館のスタッフを講師にお招きしてレクチャーを力漕する「大使館シリーズ」で、本学の教育方針の一環である「グローバル化推進(国際性豊かな人材の育成)」の実学教育に協調した有効な実習番組である。
これまでに、エストニア・フランス・オーストリア・カナダ・ウクライナと5度実施しており、いずれも本学関係者のみならず、外部の方々にも好評で、今では人気沸騰中である。此の度はVOL.6で、駐日トルコ共和国大使館特命全権大使コルクット・ギュンゲン氏を講師にお招きし「日本とトルコとの国交樹立100周年を記念して、トルコ~三大大陸が交わる物語」を演題にてレクチャーしていただいた。
講演会は竹内敬雄事務局長の司会でスタートした。
まず、駐日トルコ共和国大使館大使秘書 齋藤いづみ様を通訳解説者として紹介した後、そのトルコ語堪能な齋藤いづみ通訳より、講師及び補佐の一等書記官のエスラ・オズベク様を会場の聴講者に紹介して戴き講演に入った。
レクチャーはプロジェクターよりスクリーンに放映された鮮明な画像を鑑賞しながら進んでいった。
まず、アプローチはトルコ共和国の概要で、国土面積(783,562k㎡)首都(アンカラ)人口(8,360万人)平均年齢(32歳)国境全長(2,949㎞)隣接境国(8カ国)海岸全長(7,816㎞)/地理的位置及び地形の特徴と重要性(トルコ共和国はアジア・アフリカ(中東含)・ヨーロッパの三大大陸に跨った中央部に位置し、其の三大大陸が包囲する内海湾に東側から西へ陸地が帯状に突出した半島で領土の80%程度は海に囲まれた海岸を有し、陸続きの領土は東部の20%位である。北側の海沿は黒海を臨み西側は地中海である。黒海から地中海への船舶通行海路はトルコ共和国の領海域のマルマラ海(縁海)のボスフォラス海峡とエーゲ海(付属海)のダークネス海峡の両関門を通航する以外に他国船の海路は無く、其の点でトルコ共和国は両海峡の領有権を有する事から通航海路利用諸国に対する影響力は多大である。また、地形と位置から三大陸諸国の政治・経済・文化・軍事等の交流中継地点であり、さらに、物資交易・海運の重要拠点でもある。等の説明を受けた。次は(トルコ共和国の誕生)についてで、現在のトルコ共和国の前身はオスマン帝国(イスラム教徒スンナ派)であった。第一世界大戦(1914~)にオスマン帝国はドイツ側に荷担し参戦した結果、敗北し、解体された。まず、領土は縮小、さらに勝利連合国(英・仏・伊・ギリシャ)の統治下に置かれて欧州の共同植民地となった。しかし、この強制的な仕打ちに対立したトルコ民のカリスマ「ケマル・パシャ」(後のケマル・アタチュルク)が、1920年頃より反対派の人民を集結し「トルコ国民党」を結成した。さらに占領体制にある英・仏・伊・ギリシャの連合国を逆襲・撃退・奪回に成功し1923年「トルコ共和国」樹立、大統領に就任して建国の父となった。
就任後、思い切った改革を行った。政権を取るまでのケマル・アタチュルクはイスラム教の教徒らを活用するためイスラム教を認め「聖戦」として戦わせた。だが、建国以後「トルコ共和国」の発展と国民の生活向上を邁進させるには「生活全般にわたる厳格なイスラム教の戒律規制は大きな障壁であり、しかも宗教のための宗教戦争の明け暮れは人類の進歩発展性を断絶し阻害するもの」として、一転、イスラム教からの脱皮を図る政策を強行した、と同時に徹底的に西洋化(世俗化)を推進、憲法の公布・司法を西洋化、政治に宗教介入禁止の政教分離、カリフ(イスラム共同体の最高指導者~絶対服従のリーダー)制度の廃止、西洋式太陽暦やメートル法導入・トルコ語をローマ字化・女性のベール着用不用と社会的参加・参政権の付与等、脱イスラム化と同時に西欧化政策による近代化を実現させた。
確かにケマル・アタチュルクの「トルコ共和国」の発展と近代化への貢献実績は大きかったが、反面独裁者の強引で急激な政策の邁進は抵抗や摩擦、歪みが生じた面も随所にあったようで、100年経過した現在、見直しを検討された結果、不都合な点を徐々に修復し只今、調整中であるとのことであった。
次は日本とトルコ共和国の関係についてのスピーチに入った。
トルコ共和国は有数の親日国である。此の両国が親密に至ったきっかけの歴史は、1890年トルコがオスマン帝国時代、トルコ人が乗船した軍艦エルトゥールル号が日本の和歌山県串本町沖にて遭難事故で、落命の窮地に陥っていた乗組員達を串本町の人たちが救助し、手厚くもてなし無事帰国させた。この人助けがトルコ民らに伝説的に受け継がれ、トルコ共和国の建国100年の現在に至っても尚、同町とは交友交流が継続されているのであります。また、さらに、トルコはロシア帝国の南下政策によって黒海艦隊等から軍事侵攻的な圧迫を受けておりロシアを外敵としていることから日露戦争で勝利した日本に好感を寄せる一因だとしている。
以上でレクチャーは終了し質問タイムに入った。
質問は主に学識の高い本学の名誉教授の先生方がされた。
質問の内容のほとんどが国際的、社会問題となっている件で、トルコ共和国の立場として、どのような意向で、いかなる対応を講じるのか等の質問が多かった。
【質問】本学名誉教授 井上彰先生の質問、トルコの大地震についてで、ちょうど1年前にトルコ南部のアンタキヤ地域で大型地震に見舞われて、被害甚大で大変気の毒でしたが、其の後、被災者らの状況はいかがでしょうか。
【応答】被害状況は死者(5万3千537人)重症者(10万7,213人)。建物損壊(71万7,614棟)仮設住宅入居者(69万1,000人)で非常に復旧が遅れているのが現状である。
【質問】本学名誉教授 酒井正三郎先生の質問、トルコ共和国はNATO(北大西洋条約機構)の加盟国で、北欧スエーデンより加盟申請がトルコ共和国は難色を示し、承認しなかったがどうしてなのか。
【応答】慎重に考察すべき問題であったので、一時保留にしたが、現在はスエーデンの加盟を承認した、だが、ハンガリーが保留にしているため加盟は実現されていない。多分、これは時間の問題で解決すると思う。
【質問】本学名誉教授 宇野茂彦先生の質問、トルコ共和国はグローバルサウスのリーダー国であるが、現在のロシアとウクライナの戦争及びイスラエルとパレスチナの戦争によるイスラエルのガザへの軍事侵攻についてどのようなお考えなのでしょうか。
【応答】グローバルサウスではロシアのウクライナ侵略を一日でも早く終らせるよう日々検討している。イスラエルのガザへの軍事侵攻はイスラエルの一般国民に被害を蒙らせており、これは絶対に駄目である、断固非難すると同時にパレスチナを支持する。トルコ共和国としては(戦禍難民に対して)世界最大の避難民の受け入れ国としている。現在、400万人以上の避難民を受け入れている。
以上で質問タイムは終わり、閉会の挨拶を矢倉保吏副幹事長が行って国際交流講演会は終了した。
その後、川窪臣知広報部長(副支部長兼任)の指示により全員で集合記念写真撮影を行った。
5分間会場設置経過後、記念祝賀パーティーに入った。
司会進行は福田守弘副支部長で開宴し、支部代表挨拶は浅野幸惠副支部長が行った。来賓代表の挨拶は本学副学長佐藤信行先生に賜わり、次いで本学名誉教授の井上彰先生に御祝辞を賜わった。其の後、来賓各位44名の紹介を土屋幹事長が行った。続いて本学名誉教授宇野茂彦先生に乾杯の御発声を賜わり、食事・歓談へと進行した。其の後、本学名誉教授酒井正三郎先生に御祝辞を賜わり、次いで学員会松田啓副会長及び司法書士白門会佐藤純通会長に御祝辞を賜わった。アトラクションタイムは国際交流講演会のトルコ共和国に因み、トルコの女性ダンサーによるベリーダンスで激しく腰をスイングさせるパフォーマンスに珍しさと驚きで注目していた人が多かった。一段落して、中締めを顧問の堀合辰夫元副会長が行い、その後、全員起立して惜別の歌を斉唱、次に母校激励と港白門会の創設20周年を祝して櫻井俊宏青年部副部長がエールを切って、会場を盛り上げた。殿(しんがり)は、土屋幹事長が閉宴の言葉で無事終了。散会となった。最後は当支部執行役員らが会場の出口に整列し来賓各位の御見送りを果し、全日程に終止符を打った。
(広報担当副支部長 川窪 臣知)