理事長挨拶
奨学事業について
中央大学学員会には、経済的事情により学業を継続できないおそれのあるすぐれた学生を対象に、学資金を貸費、給費する等の方法によって援助、救済するための奨学制度が設けられており、これを担っているのが公益財団法人白門奨学会であります。
優秀な素質と勉学の意欲を持ちながら、ただ経済的理由で修学の機会に恵まれない学生も少なくなく、また、激しい競争を突破して、入学を勝ち得た学生が、「入学の喜び」も束の間、経済的負担に耐えかねて学業を離れていく例も多くあります。これは、ひとり本人のみならず、社会的にも大きな損失であります。
昭和48年以来、中央大学学員会は奨学金を設立し奨学事業を行ってきましたが、諸般の事情からその運営は極めて小規模なものに止まっていました。このため、奨学制度の永続性と公益性の見地から、本来の奨学制度へと拡充して、将来、社会に買献し得る有用な入材を一人でも多く育成するため、学員会奨学会の基金1億円余をもって、東京都教育委員会に財団法人設立を申請。昭和53年10月12日付で許可を得て、財団法人白門奨学会として再発足しました。その後さらに、平成26年4月より公益財団法人白門奨学会となり、奨学会の充実発展に努めています。
本会は、学業・人物ともに優秀かつ健康であって、経済的な事情で就学困難な学生を援助し、社会有用の入材を育成することを目的としています。
奨学会の運営は、その永続性を考えて、まず基金を設定し、この基金から生ずる果実(利息)をもって、ある一定の期間貸与あるいは給費します。一人でも多くの学生に給費するには、多額の資金が必要となるので、今後Webや学員時報等での広報活動を充実させ、積極的に募金活動を展開してまいります。
なお、本奨学会が昨年度までに貸費した学生は268人、給費704人、研究費給費169人、冠奨学金給費461人となっています。また奨学金は、現在のところ学部学生・大学院生および外国人留学生を対象に給付のみを行っております。
つきましては、大学教育に深いご理解をいただいております各界各位と、つねに母校のためご協力を惜しまれない多数の卒業生、在学生父母各位の積極的なご協力を切にお願い申し上げる次第です。
2019年6月