2024年度中央大学卒業生の就職状況

概要
中央大学キャリアセンターがまとめた令和6(2024)年度卒業生の就職状況によると、学部卒業生の就職決定率は97.3%となり、前年度比0.6ポイント増と高水準を維持した。
河合久学長は5月24日に開催された学員会の全国支部長会議でこの結果について触れ、「人口減少と人手不足により企業の採用意欲は高まり、採用活動の早期化も進んでいます。その一方で、学生のニーズは多岐にわたり、大学には迅速かつ的確な支援が一層求められています」と述べた。
全学部の就職状況
2024年度の本学学部卒業生の就職決定率(就職者数÷就職希望者数)は、前年度の96.7%よりも0.6ポイント上昇し、97.3%となった。学部別に見ると、法学部97.6%、経済学部97.7%、商学部97.8%、文学部96.2%、理工学部98.1%、総合政策学部97.3%、国際経営学部94.5%、国際情報学部97.6%となった。
卒業生に占める進路報告者の割合を示す進路報告率(把握率)は、全学部で99.4%(前年度99.1%)と高値を維持し、2024年度も精度の高い進路データを得ることができた。
文系学部の就職状況
文系学部生の進路は「就職者」の割合が最も多く、前年度の85.0%から0.3ポイント減の84.7%となったが、毎年80%以上を堅持している。「受験準備者」の割合は0.3ポイント増で4.2%、「進学者」の割合は前年度と同値の6.3%となった。「無業者」の割合は毎年ポイントを下げており、本学においても企業の採用意欲の高さがうかがえる結果となった。
文系学部生の業種別就職先割合は「情報サービス・通信」が16.3%(前年度15.0%)と最も高く、過去最高値となった。次いで「金融・保険」が15.0%(前年度13.9%)と、6年ぶりに15%の大台を突破した。これは、大手銀行を中心としたIT人材の採用や職種別採用の拡大、初任給の引き上げが大きく影響したとみられる。そして、「メーカー」が11.1%(前年度12.0%)、「卸・小売」が11.1%(前年度10.1%)と続いている。
また、「公務」が10.8%(前年度11.2%)と前年度よりポイントを下げたが、本学全学部における東京都庁の就職者数は66名となり、2位のニトリに倍以上の差をつけて、企業・機関の最上位となっている。
理工学部の就職状況
理工学部生の進路は、全体の4割強を占める「進学者」の割合が高いことが特徴である。そのうち本学理工学研究科への進学割合は87.47%で、昨年度から8.30ポイント上昇した。
大学院修了者は、大手企業の研究・開発職として採用される比率が高く、特に製造業では即戦力として期待されることから、大学院生を好んで採用する傾向である。
理工学部生の業種別就職先割合は「情報サービス・通信」が32.7%と最も高く、次いで「メーカー」が21.7%となっており、この2業種で就職者の過半数を占めている。
また、公務員や教員への就職を希望する学生も多く、2024年度に卒業・修了した理工学部生の国家総合職試験合格者数は17名となり、大学全体の春試験合格者50名のうち実に34%が理工学部生という高い合格割合を占めている。