学生ボランティア支援 中央大学ボランティアセンターと連携し 学生の社会貢献活動をサポート

学員会として大切な取り組み

学員会副会長 小林 治雄(昭41法)

能登半島地震被災地での活動

 中央大学ボランティアセンターから送られる能登半島地震被災地での活動実施報告によれば、同地へのボランティアは発災してから6 回の実施、のべ参加者数は学生98 名、職員12 名となっている。第1・第2クールは金沢市に近い羽咋郡志賀町で活動、後半の第3 ~第6クールでは、交通の便が確保された奥能登での活動となった。私も第5 クール(12 月25 日~ 27 日)に自主参加し、学生とともにボランティア活動を行った。

 被災地での作業では遅々として進まぬ復旧復興状況を目の当たりする中、避難所の清掃や整理、仮設住宅を訪問しての住民との交流、さらには雪かきなどの活動を行った。学生からは、被災した方々から感謝の言葉を受け感激する一方で、長い避難生活で疲弊する住民とのコミュニケーションの難しさを感じるなど、活動を通じてのさまざまな感想や思いを聞くことができた。こうした会話やミーティングでの意見交換を通じ、私自身も彼ら学生から学ぶことも多い。

 なおこの第5 クールでは、集合場所の金沢駅に石川県・徳田博副知事が出迎えに来られ、学生に「労いの言葉」をいただく。学生もコーディネーターも驚くサプライズであったが、徳田氏は学員会石川支部の副支部長でもある。また活動の様子は「珠洲の仮設住宅で中央大学ボランティア」として地元新聞(『北陸中日新聞』12 月27日付け)にも報じられた。

「令和元年東日本台風」復旧支援が契機

 学員会本部では中央大学学生のボランティア活動を、そのサポート組織である中央大学ボランティアセンターと連携し支援している。その端緒は、令和元(2019)年10月の令和元年東日本台風で、長野県内は千曲川の氾濫などで大きな被害を受けた。被災後、復旧・復興に学生ボランティアの力を借りることが可能かどうかの視点から、私たち学員会長野県中信支部とボランティアセンターの連携が始まった。被災地の支部からの支援要請が大学に寄せられて、大学ボランティアセンターが支援に動き出したという点は今までになかったパターンであった。

 災害後の11 月と2 月に、父母連絡会とも協力しボランティア受け入れを行い、3 月以降も実施され、8 回でののべ参加者数は学生100 名に父母連絡会、長野県中信支部員や一般協力者が加わり180 名にも達した。一般協力者は支部長の前職の金融機関を始め、支部メンバーの知人、関係先など、まさに地域を巻き込んでの展開となったことも特徴的だ。

 この時の活動は長野県内の各種報道が一斉に報じるなど大きな話題になり、母校のブランド力を高めることにもつながり、また、災害対応での地域連携の機運醸成にもつながった。

支援は学員の社会貢献でもある

 こうした経緯も踏まえて、学員会による学生の社会貢献活動の具体的なサポートへとつながり、白門支援金を活用した「学生ボランティア支援」や「学生活動スタートアップ支援」が実施・強化されるようになっている。

 学生のスポーツや学術・文化活動を応援することと同様に、彼らの社会貢献活動をバックアップすることも、学員会として大切な取り組みだと考えている。もちろん、ボランティア活動やその受け入れなどは簡単なことでない。またボランティアセンターも関係先との調整に苦労が多いことだろう。しかし、学生の社会貢献活動の支援は、学員自らの市民としての社会貢献につながり、ひいては中央大学のブランド向上にも寄与することである。今後も学員に幅広く声がけし、活動と支援の一層の充実を図っていきたい。

ボランティアセンターの活動と学員会の支援

ボランティア活動は10 年超

 同センターは、平成23(2011)年の東日本大震災発生後、学生部学生課が担当し有志学生とともに中央大学としてボランティア活動への取り組みを開始したのを起点としている。その後も被災地の宮城県などでボランティア活動を実施し、地域と学生をつなぎ、学生の社会貢献活動をサポートするために平成25(2013)年に創設され、今年で12 年目を迎える。業務内容は、ボランティア活動をしたり、したいと考えている学生の相談対応やボランティアに関連する講座、イベント、ワークショップ企画運営、そしてボランティア活動そのものの企画運営などである。

 ボランティア活動というと突発的な災害復旧・復興支援が目立ちがちだが、センターが企画し実施している活動のうち、学内では空きコマを活用したボランティア、子どもクイズラリー、災害時の募金活動など。またキャンパス周辺での地域活動としては、ゴミ拾い、農作業、お祭り、科学実験教室、絵本の読み聞かせ、学習支援などのボランティア活動を実施している。

白門支援金での助成事例

 学員会本部では、平成24(2012)年度からの白門支援金事業によりボランティアセンターの活動を継続して支援している。今年度はボランティアセンター公認学生団体「面瀬学習支援」の活動(8 月17 日~ 24日に現地で実施)などに助成した。

 「面瀬学習支援」は、気仙沼市面瀬地区の小学生を対象に、宿題指導と自由遊び、企画を中心として活動しており、東日本大震災被災地である気仙沼・面瀬地区を活動場所として平成 24( 2012)年度より継続して活動している。

活動実績の報告を義務化

 同センターで企画する被災地復興支援ボランティアなどの宿泊型ボランティアに参加した学生には「事後レポート」の提出を求めている。自らの経験を総合的に振り返り、現場で得た気づきや課題など経験から得た学びを言語化する機会を提供し、学生の成長を促している。

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